皮膚科でのフットケア

健康靴が注目を集めたり,フットケアサロンが開設されるなど,足の健康に対する関心が高まっています。それにも関わらず,足に問題を抱える患者さまも後を絶ちません。これには,以下のような背景があると思われます。

① 高齢者の増加
② 足にトラブルを生じやすい病気(糖尿病,関節リウマチ,閉塞性動脈硬化症など)の寿命が延長したこと
③ 不適切な靴(高ヒール,先細など)を履く習慣

しかし,爪の変形やタコ・ウオノメで病医院を受診するのはためらいがちで,どこで診察を受けるべきかもわからないために放置されがちです。また,糖尿病や関節リウマチの患者さまなどでは,足の異常を軽視して深刻な事態を招くことがあります。
当院ではフットケアを重視し,足の皮膚や爪の病気の治療・予防に注力しています。

フットケアの目標は?

①    足の痛みを無くす,和らげる。
②    足のトラブルを未然に防ぐ。
③    重症化(入院や足の切断)を避ける。

皮膚科でのフットケアの対象は?

皮膚科で行うフットケアです。整形外科や民間のフットケアサロンではありませんので,奇形や骨・腱の異常,また美容目的などは対象外です。

主な対象疾患

巻き爪・陥入爪,爪囲炎(ひょうそ),爪変形・変色,
胼胝・鶏眼(タコ・ウオノメ),
みずむし(皮膚・爪)(特に難治例),
皮膚潰瘍・壊疽(キズ)(血行不良・糖尿病・関節リウマチなどに起因するもの)

主な治療方法

  • 適切な靴の選択(※1)
  • 爪の整形・補修:爪切り・人工爪による
  • 巻き爪・陥入爪:ガター法,ワイヤー(VHOワイヤー,マチワイヤ)(写真1,2)による矯正、手術(フェノール法,フェノールによる爪母の腐食(写真3)
  • タコ・ウオノメ:メスを使用して,ひとかたまりに切除(痛みも出血もありません(写真4)
  • みずむし(※2):適切な外用療法(必要に応じてステロイド外用剤の併用)
  • 爪みずむし(※2):内服薬,爪の切削や抜爪の併用
  • 皮膚潰瘍・壊疽:適切な局所療法,血行動態の評価・改善(※3)
写真1(VHOワイヤー装着例)

写真1(VHOワイヤー装着例)

写真2(高度の巻爪)

写真2-1(高度の巻爪)

マチワイヤー装着開始

写真2-2(マチワイヤー装着開始)

1年間の治療終了から3ヶ月

写真2-3(1年間の治療終了から3ヶ月)

写真3(フェノール法施工3年後)

写真3(フェノール法施行3年後)

写真4(ウオノメの境界を切除)

写真4-1(ウオノメの境界を切除)

芯(しん)まで取れています

写真4-2(芯(しん)まで取れています)

   

※1 靴について:主に,「どのような靴が適しているか?」を指導いたします。「足によい靴とは?」(コラム)をご参照下さい。
※2 「水虫を徹底的に治しましょう!」をご参照下さい。
※3 血行動態の評価・改善:超音波ドップラー法による大まかな評価,内服薬や点滴による治療は当院にて可能です。しかし,血行再建術(カテーテル法やバイパス手術)についての判断や施行は病院へご紹介いたします。